独学のすすめとタイトルにあるが,教育を切り口にした人生論の本と言っても差し支えないだろう.
1975年とかなり古い本のため,すこし時代を感じるような思想も散見されるが,現在に通ずるところも多い.
「問題を作る能力」を持った学生が減ったという主張などは今日でもよく聞く(単調減少なのかだろうか?).本書の要点としては,大量情報社会だからこそ,情報の収集時点および吸収時点での取捨選択が大切,つまり独学というスキルを磨くべきという感じだろうか.
独学のすすめとタイトルにあるが,教育を切り口にした人生論の本と言っても差し支えないだろう.
1975年とかなり古い本のため,すこし時代を感じるような思想も散見されるが,現在に通ずるところも多い.
「問題を作る能力」を持った学生が減ったという主張などは今日でもよく聞く(単調減少なのかだろうか?).本書の要点としては,大量情報社会だからこそ,情報の収集時点および吸収時点での取捨選択が大切,つまり独学というスキルを磨くべきという感じだろうか.
古いなあ...という印象.2006年の新書であるが,当時はこの内容は画期的だったのか?
特に新しい知見はなかった.古典を読んだということにしておこう.「誰がやってもできるプロセスを確立せよ」といのは大切.
コーディング哲学について学ぶことができる本である.
道具としてプログラミングを行っている人にとっては,アルゴリズムが最優先でコーディングに関しては,おざなりになってしまうことが多いと思う.そしてそれを学ぶ機会も少ない.汚いコードは生産性を下げるとはわかっていても,汚いコードと綺麗なコードの差がわからないのだ.本書では,そこから解説している.「美しいコードを見ると感動する」と本書にあるが,まさしくその通り.手元に置いておきたい一冊である.
あたりの本.「共感型」でしか小説を読んでいなかった.そのため,主人公に感情移入が困難なものだと自然と忌避しがちで,イコール自分に合わないと解釈していた.しかしそれができなくても小説は楽しめますよと本書は述べている.
目からウロコとは言わないが,技術書や専門書,ビジネス書ではなく,いわゆる文学に触れてみたくなった.巻末におすすめ文学作品一覧が掲載されているので,少し手を出してみようと思う. ちなみに紹介されていたうちの一つ,「人間失格」は特に気になって本書読了前に読み始めてしまっている.
インカ帝国の発見から滅亡に至る過程を,コンキスタドールたちの視線を主軸に,インカ文明の解説を交えながらドラマチックに描いた一冊.脚色されているのではなく,小説よりも奇な史実を色鮮やかに伝えている.
インカ帝国は結局は西欧諸国に滅ぼされることになるが,インカ帝国自体も南米では数々の部族を征服してきた.そんなインカ帝国の戦略のひとつが「征服した部族の異教の神の存在を認める,ただしその上に太陽神がいる」という方法である. 太陽神はインカ帝国の神である.統治をうまく行うために,異教だとしてもその神自体の存在は認めるのだ.その上で,信仰先の上下関係を設けて,部族間の主従関係を明示している. このような手法は,0か1かの改宗を迫るキリスト教(たぶんイスラム教も?)とは異なり興味深い.
インカ文明には,創造主ビラコチャという創世主的神格があった.天地や人間を創造したと崇拝されている.そして,このビラコチャは白い人間だと伝えられてきた. 西欧人がインカ文明に侵入したきたとき,彼らを見たインカの民はビラコチャの降臨だと思ったとかなんとか,そのような奇妙なエピソードも紹介されている.
結局,圧倒的武力差と様々な策略によって,インカ帝国は滅ぼされてしまう.毎度世界史に触れて思う「キリスト教徒は過去ロクなことしていない」を改めて感じる. 本書では,征服者ピサロの残忍/野心/恐怖などの多様な側面にも言及している.