寺子屋

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書評:「敗者の条件」会田 雄次

戦国の世における敗者に着目した一冊.

敗因分析をして,先天的に大将の器ではなかったとしている結論が多い.つまり,「この武将には人間的にXXの弱さがあったため,YYのような戦略をとり,その結果敗けた」という分析である.

敗因を個々の人間性についてまで言及するのは,この分野に対して相当な知識を持っているからであろう.これはこれでおもしろいが,近いテーマの書である「失敗の本質」と比べて,客観性や普遍性に欠けるという印象を持った.人間性に着目という観点では歴史好きには非常に興味深いので,甲乙は付けるわけではない.