寺子屋

書評ブログです.

経済学

書評:「ウォール街の物理学者」 James Owen Weatherall

本書は,金融の世界に物理学が浸透していった様子を人物に焦点を当てて解説している. なかなかドラマがあっておもしろく,様々な理論が確立されていく様子を俯瞰することができた.マンハッタン計画やアポロ計画が終了し,物理学者たちが金融に手を出してい…

書評:「関係人口の社会学 人口減少時代の地域再生」田中 輝美

著者は地方新聞の記者を経て,現在は島根県立大学地域政策学部准教授.地方や過疎地域における社会学が専門.「関係人口」とは,「定住人口」(移住)でもなく,「交流人口」(観光)でもない特定の地域に様々なかたちで関わるよそ者的な人々を指す語である.深…

書評:「経済学と合理性: 経済学の真の標準化に向けて」清水 和巳

著者は経済学者.専門は行動経済学,実験政治経済学,意思決定理論.本書は,経済学,ゲーム理論などの諸々の分野で,多くの場合に前提となっている「合理的経済人仮説」について扱った一冊である. 誰しも経済学を学んでいく上で一度は,「現実の主体(人間…