寺子屋

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書評:「歌うカタツムリ 進化とらせんの物語」千葉 聡

タツムリは殻の形状や色が個体群ごとに差異があり,進化の研究の題材として手ごろなのだそう.そんなカタツムリ(貝類)を主役に,「なぜここのカタツムリはこの形状なのか」,「なぜ谷を越えると殻の模様が変わるのか」など素朴な疑問を説明する進化のメカニズムを解明しようとしている研究者たちの物語.

すべてをクリアに説明するのは難しく,ひとつの理論が発表されると,直ちに反例がでたり,例外的な生物・化石が発見されたりと,研究史がドラマティックに描かれている.サイモン・シンの「フェルマーの最終定理」に近い”熱さ”を感じた.