寺子屋

書評ブログです.

数学

書評:「もうダメかも 死ぬ確率の統計学」Michael Blastland, David Spiegelhalter

人生における様々な場面で,本当に死に至る確率を紹介した一冊. 改めて数字を見ると,人間はドラスティックな死因に対しては過大評価,些細なリスクについては過少評価しがちということがわかる.著者らがまとめた,各種線源から浴びる放射線量一覧やハザー…

書評:「「集合と位相」をなぜ学ぶのか ― 数学の基礎として根づくまでの歴史」藤田 博司

まったくわからなかった.抽象数学へのコンプレックスが深まるばかりである. ただ,「学部1年のときに読みたかった」「モヤモヤしてた箇所の気持ちがわかった」などの書評を見る限り,初学者へのロードマップとして本書は優れているのだろう.山籠もりして…

書評:「宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃」加藤 文元

IUT理論の一般向け啓蒙書.望月教授と個人的に関わりの深い著者が,彼とのエピソードなどを交えながら,IUT理論の一端を紹介している. 著者自身も本書の中で度々断っているが,IUT理論の詳細な理論は割愛されており,哲学的な考え方を伝えるに留まっている…

書評:「定理が生まれる: 天才数学者の思索と生活」Cédric Villani

フィールズ賞受賞者である著者の研究日記. 数学者の日常や,研究者界隈のアレコレを垣間見ることができる.ゴムボックという存在をはじめて知った. 定理が生まれる: 天才数学者の思索と生活作者:セドリック・ヴィラーニ早川書房Amazon