著者はジャーナリスト.自民党史上,歴代最長の幹事長在職日数を誇る二階俊博の伝記である.議員秘書時代を経て,県議,国政へ進出していく過程でのエピソードが紹介されている.
自民党を離党していた際の政治的立ち回りなどは複雑すぎて難しいところであるが,よくまとまっていた.また,田中角栄との接点についても数多く書かれていた.
各章のコンテンツは次の通り.
- 序 章 菅義偉総理が語る「二階幹事長」論
- 第一章 歴代最長幹事長・二階俊博の立脚点
- 第二章 菅義偉新政権樹立
- 第三章 和歌山県御坊市に生まれて
- 第四章 遠藤三郎の秘書として
- 第五章 和歌山県議から国政進出
- 第六章 激闘! 田中軍団
- 第七章 政界再編の激流
- 第八章 小泉純一郎「郵政解散」と二階俊博
- 第九章 経済産業大臣として
- 第十章 政界流転
- 第十一章 自民党幹事長 権力の実相
- 終 章 ラストボス 二階俊博の覚悟
ただ,やはり気になるのは,自伝でもないのに二階俊博の心情が断定的に記述されている点.情報源のひとつとして有用であるが,著者の脚色があるという前提で読まなければならないと感じた.